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Protectionはもとより、警備はくたびれ儲けの多い仕事です。
ある現場での出来事でした。その日、対象者が客と共に外出する予定が入った為、念の為に普段は使用しないバンタイプの車両を洗車しました。大型のバンだった為、手間も時間も掛かって一苦労でした。
しかし、結局普段使用しているセダンを使用する事になり、客とは別々に出掛ける事になりました。その時の対象者は車を3台持っていたので、こういう事は少なくありませんでした。
この時、メンバーの1人が「くたびれ儲けだった」とこぼした事がありました。
しかし、ちょっと考えてみれば分かる事ですが、そもそも警備という仕事は万一に備えた仕事です。一種の保険として考えられている所もあります。
そういう立場を受け入れられるかどうか。そこで「くたびれ儲け」と感じるか、やりがいを感じられるかの違いになると思います。
先日、生まれて初めての経験をしました。
場所は都内の駅。改札を出た所で、2人の男性の姿が目に止まりました。
一見、普通の男性です。2人で談笑しており、周囲の人達は特に気に留めている様子はありませんでした。
しかし、よく見ると2人共イヤホンをしています。携帯電話のイヤホンマイクのようにも見えましたが、よく見れば手にした上着で隠していたものの、1人は無線機の本体を手に持っていました。
警備かな?私服での警護も私自身経験しているので、そんな事を考えていました。しかし、少し離れた所にもう1人の男性が、やはりイヤホンを差して立っていました。
私服の男性が3人。いずれも無線機をつけて改札付近に目を光らせている。明らかに普通の状況ではありません。この時点で恐らく警察だと気付きました。
しかし、時既に遅し。じっくりと3人の男性を見ていた事で不審がられてしまったようで、彼らの視線を感じました。
素知らぬ様子を装って、通り過ぎようとした時、1人が声を掛けて来ました。
「すいません」
言いながら私の肩を叩き、警察手帳を開いたのは、3人目に気付いた20代後半と思しき若い私服警察官でした。
それから二言三言言葉を交わし、当然ながら疑いはすぐに晴れました。
「失礼しました」
そう言ったのは、少し離れた所で見ていた年配の男性。話をしている間に近付いて来ていたのです。少なくとも、私服警官が4人は張り込んでいたという事です。
別の男性を探していて、特徴が似ていたとか何とか言っていました。その上、確かに私の目付きも悪かったかも知れません(何だこいつら・という気持ちと共に睨み付けてしまったと思われる)。
しかし、まさか職質を受ける事になろうとは。
とは言え、貴重な体験は少なからず楽しいものでもありました。
夜間であれば、対象者のいる施設の警戒と共に、警護車両の整備や洗車などをする事になります。
洗車や整備も、本格的にやろうとすると意外と時間が掛かるので、主に夜間に行います。基本的には毎日洗車して、翌朝、対象者を乗せる時には中も外もピカピカにしておきます。整備もきちんとしておかないと、対象者を乗せて移動中にエンジントラブルで立ち往生などという事になったら大変です。
対象者を乗せていない時でしたが、車両がエンストをおこし、確認したらバッテリー液が減っていた、という事がありました。ついつい整備を怠ると、こういう事になってしまうのです。
洗車が終了し、対象者の自宅周辺の警戒も終了した後に、最後の仕事があります。地味ながら重要なのが、その日1日の記録をつける事です。
警備会社であれば日報などがあると思います。これは必ず、その日に内に行う事をお勧めします。翌日に回してしまうと、意外と大切な事を見落としてしまう事があるのです。
その後、漸く休憩(仮眠)となります。お疲れ様でした。
昼夜を問わず、食事時であれば当然ながら外出先でそのまま食事をする事になると思います。
その際に、「この近くでしたら○○の店がありますよ」と言う事が出来れば、対象者もそれに従う可能性があります。事前の情報によって、対象者の行動をコントロールする事も可能だという事です。
1人で昼食などを済ませる場合は基本的に立ち食い蕎麦などになります。当然ながら、何時何が起こるか分からないので、レストラン等に入ってのんびり食事という訳には行きません。
時には、対象者の食事に同席する事もあるかも知れませんが、私自身の場合は、そういうパターンは多くはありませんでした。
従って、外で手早く済ませるか、対象者が自宅に戻ってから、という事が多かったですね。その方が、自分としても落ち着いて食事・待機が出来ます。
食事の為に対象者への対応に遅れるよりは、空腹に耐える方が良いと考える警護員は、(少なくとも私の回りには)少なくなかったと思います。
朝は、前日からの引継ぎなどを行うと共に、当日の対象者の行動予定を確認します。
外出先が分かっている場合には、その住所や施設名を確認します。更に、その場所までのルートと、それに応じて渋滞状況などを確認します。高速にしろ一般道にしろ、渋滞しているようであれば予定よりも早く出発する必要が生じます。
もちろん、大規模なイベントなどの場合には、可能であれば前日までに現地に行って実際の状況を確認(つまりアドバンス)しておく事になります。
移動ルートは基本のモノの他に、迂回用や緊急用を確認しておきます。また、そのルート上や、目的地周辺の警察、消防、病院など緊急施設の有無や場所も確認する事になります。
更におまけで、時間や状況が許すのであれば、目的地周辺に対象者の好む様な店(ブランドや飲食店など)があるかどうかも確認しておきます。