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 ある日、3人の小学生を万引きの現行犯で捕えました。

 初犯だったようで、大人しく指示に従い、こちらの質問にも答えてくれました。なんと付近の小学校では、その店は絶対に捕まらない、捕まえないという話で有名だという事でした。
 これには驚きました。しかし、これで怖い思いをした3人は学校でもその話をする筈で、おそらく良い意味での広告塔になってくれる事を期待しました。

 小学生達の話を裏付けるように、学校帰りの高校生や中学生。明らかに部活帰りの子供達が、ごく平然とドリンクやアイス、スナックのコーナーに行き、そして周囲の目を盗んで窃盗を行っていました。毎日のように数十名の不審者を確認していたのです。

 彼らには彼らなりの嗅覚のようなものがあるらしく、すぐにこちらの存在に気付いて行為を中止しましたが、目を離せば確実に実行していたでしょう。
 柱の陰でバッグを開いて商品を入れたり、仲間が盾になって人目を遮って実行するような悪質なケースもありました。
 殆どがドリンク1~2本というところで、被害額としては大きいものではりませんでしたが、言うまでもなく塵も積もれば・・・という事です。

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 機会は、彼らが作ってくれました。

 ある日、4人の少年達がいつも通り特攻服で店に現れました。いつものように傍若無人な振る舞いで、肩で風を切って店内を徘徊します。最早、目的は窃盗でもなく、店側が困っているのを見て喜ぶ、愉快犯的な要素が大きいと感じました。実際、多くのお客様が彼らの様子を見て眉を顰めています。この状況を放置する事は出来ませんでした。

 私は、少年らに声を掛け、彼らの行為が店にとって迷惑行為となっている事。このような行為が続くようであれば出入り禁止等の措置を取らざるを得ない事を伝えました。もちろん、それで大人しくなるようなタマではありません。
 「何もしてねーだろ」彼らのような者達の常套手段というか、必ず出てくる台詞です。

 確かに、窃盗等の犯罪行為は行っていません。しかし、店舗内やその敷地は私有地ですので、こちらには施設管理権があります。彼らが理解出来るかどうかは別として、その説明をしました。当然、彼らは納得しません。
 その話をしているうちに、メンバーの1人が携帯電話を使っているかと思うと、メンバーが男女4名増えて、合計8人になりました。8人は店内を好き勝手に歩き回り、入口を塞ぎ、走り回りとやりたい放題です。この時点で対応に限界を感じ、警察対応に切り替えました。

 敢えて彼らの目の前で、携帯電話で110番通報を始めると、ばらばらと店の外に出て行きました。
 間もなく警察が臨場しますが当然ながらこの時点では逮捕等の出来る状況ではありません。その代わり、私は彼らに対して出入り禁止処分を伝えました。

 ようやく、状況が動き出したのです。

 

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 近所の住民や、以前の彼らの立ち回り先などに出向いて、彼らについての話を聞きました。

 その住所、氏名、年齢、家庭環境、家族構成、学歴、職種、交際関係などなど。バラバラだったパズルのピースが少しずつ繋がっていくと、彼らの行動の理由も見えて来るようでした。

 多くの少年達は家庭環境に問題を抱えており、同情の余地もありました。しかし、家庭に何一つ問題がないという事も、逆にあり得ないのです。自分達の行為を家庭のせいにするのは間違いであり、犯罪行為に及ぶ口実にはなり得ません。
 彼らを更生させるような大それた事は出来ないにしても、それ以上の犯罪行為をやめさせる為にも、そろそろ手法を変える段階に来ていました。

 また、徐々に情報が増える中で、少年達の先輩格の人間の中に暴力団との繋がりが見えて来ました。少年達は組織的な窃盗集団として行動しており、その利益が組織に流れている事も推測されました。
 窃盗だけであれば、少年達の小遣い稼ぎで終わったかも知れません。しかし、その盗品の転売という別の話が見えて来ると共に、売買ルートやその窓口になる者達の存在など、少年達だけでは手に負えないと思われる事案が出て来ました。何らかの組織が動いていると考えなければ納得出来ない位の大きな話になって来たのです。

 それらしい人間が定期的に少年達を会っているという情報もあり、その後私達も実際にそういう人物を複数目撃する事になります。

 流石に、そういう人間が私達に直接接触して来る事はありませんでしたが、こちらの存在は認識し、正面からその様子を見に来た事もありました。
 こうなると、対応方法は今まで以上に慎重にならざるを得ません。1つ対応を間違えると大変な事になるかも知れないのです。

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 ある日、3人の小学生を現行犯で捕えました。
 初犯だったようで、大人しく指示に従い、こちらの質問にも答えてくれました。なんと付近の小学校では、その店は絶対に捕まらない、捕まえないという話で有名だという事でした。
 これには驚きました。しかし、これで怖い思いをした3人は学校でもその話をする筈で、おそらく良い意味での広告塔になってくれる事を期待しました。

 小学生達の話を裏付けるように、学校帰りの高校生や中学生。明らかに部活帰りの子供達が、ごく平然とドリンクやアイス、スナックのコーナーに行き、そして周囲の目を盗んで窃盗を行っていました。毎日のように数十名の不審者を確認していたのです。

 彼らには彼らなりの嗅覚のようなものがあるらしく、すぐにこちらの存在に気付いて行為を中止しましたが、目を離せば確実に実行していたでしょう。

 柱の陰でバッグを開いて商品を入れたり、仲間が盾になって人目を遮って実行するような悪質なケースもありました。殆どがドリンク1~2本というところで、被害額としては大きいものではりませんでしたが、言うまでもなく塵も積もれば・・・という事です。
 
 我々の勤務が始まってから約1ヶ月後には、一般の不審な行動をとる中高生は殆ど見掛けなくなりました。
 残るは問題の少年達でした。

 少年達は、ほぼ毎日のように特攻服で来店していました。
 1人で来る時はおとなしく購入しますが、複数で来ると我々の視線を避けるように動きます。警戒されていると分かっていて窃盗行為に及ぶ事は考えられませんでしたが、それでも目を離す訳には行きません。
 何より、他のお客様達が彼らを恐れ、それによって大切な顧客を失う事があってはいけません。しかし、少年達も大人しく商品を購入している時には間違いなく「お客様」であり、乱暴な対応をする訳には行きません。

 そうやって終わりの見えないイタチごっこが続くようになりました。
 しかし、その間にも時間を浪費していた訳ではありません。店での日々の警戒と並行して、我々は少年達についての調査を開始しました。

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 勤務が始まって間もない頃、店舗のスタッフから指摘を受けた事がありました。

 我々がスーツで勤務をしているのを見て、それではバレバレだよ、と言うのです。勿論、これは承知の上でした。

 万引き等を現行犯で逮捕する事が出来れば、それはそれで1つの目的でした。しかし、今回の業務の主な目的は、脅威対象者である少年グループの排除でした。従って、初めからハイ・プロファイルで彼らにプレッシャーを掛ける事を目的として、スーツを選択したのです。

 同時に敢えて目立つ事で、店舗の姿勢を外部にアピールする事も出来ます。

 基本的には長期的な保安体制の確立を目指していたので、万引きを捕まえる事よりも、万引き出来ない雰囲気を作る事を考えた訳です。そこで不審な者には敢えて近づいてプレッシャーを掛け、最初から行為を諦めさせるように仕向けたのです。

 まあ、いずれも一般の方からすれば理解出来ない考え方なのかも知れません。
 実際に、店舗の方にその意味を理解して頂くまでには何階もの説明と時間が必要でした。というよりも、本当の意味で理解して貰えたのは全てが解決した後だったと思います。

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