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 極端な例になりますが、特定の状況下での警護員の思考と行動を取り上げて見ましょう。

 警護中に対象者の都合で商店街を歩いていたところ、突然通り魔による事件が発生したとします。はたして、どのような対応が考えられるでしょうか?
 もちろん、個人としてはまったくの他人でも助けられるようなら助けたいと思います。プライベートな時間と状況下であればそうすると思います。

 警備業そして身辺警護を志す以上、多少なりとも腕に自信のある人が少なくないと思います。その気になれば、通り魔の身柄を抑えてお手柄、という事は可能かも知れません。
 重要なのは優先順位です。貴方なら、この時どうしますか?
 
 このような状況でも、優先順位を間違えてはいけません。

 警護員が何よりもまず実施するのは、対象者の安全を確保する事です。仮に犯人を取り押さえようとして怪我でもしたら、そしてその隙に対象者が傷付けられる事になったら・・・。

 この場合であれば、一刻も早くその場を離脱する事になるでしょう。目の前で他の人達が被害にあっていたとしても、その気になればその被害を食い止められる可能性があったとしても、警護業務中の警護員は絶対に優先順位を間違えてはいけないのです。

 ここで対象者が著名人であった場合には、自分だけ逃げた、という事で後日批判を受ける可能性もあるかも知れません。しかし、緊急の状況下においては、警護員が護るべきは対象者の身体・生命であって、それが最優先です。

 現実というのは非常にシビアで、ドラマや映画のようには行きません。実際の現場の中では、それを思い知らされる事が少なくありません。だからこそ、ここで中途半端な正義感を出してしまう人は、最悪の状況を招いてしまう可能性があるのです。

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 ある人の経験です。
 警護業務中の出来事でした。対象者が警護員の1人と共に食事をしていて、その人は車両で待機していました。その時、近くで喧嘩が始まりました。

 彼は喧嘩の仲裁に入り、何とかその場を収めました。その行為自体は、勇気ある行為として賞賛されて然るべきなのでしょう。彼自身、正義感からの当然の行為として動いた訳ですが。
 しかし、この時は少々異なりました。彼がその場を収めてすぐに、対象者が店から出て来ました。
残念ながら、彼はその後、先輩から激しく叱責される事になります。

 何故か?あなたは分かりますか?
 
 対象者がいつ出て来るか分からない状態で警護車両から離れる事は原則あってはなりません。対象者が車や施設の外で立ち尽くしているような状態は、警護員であれば絶対に作ってはいけないのです。この時も、タイミングがずれれば正にそういう状況を作る可能性がありました。
 さらに万一、喧嘩に巻き込まれて彼が怪我をしていたら、その後の警護業務は残る1人で継続しなければなりません。これは単純に対象者のリスクを大きくしています。
 もしも、その喧嘩が襲撃者の演技だとしたら?そうして警護の隙を作ろうとした罠だったとしたら?警護員としてはそこまで考えなければならないのです。

 彼としては正義感からとった行動だったのでしょう。一般的には、その行為は賞賛に値すると思います。しかし、万に一つでも対象者に影響を与える可能性がある以上、警護中の行動には十分に注意する必要があるのです。

 従って、道徳というものも順位は低くなってしまうのです。

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 警護員の行動を規制する幾つかの法則があります。

 1、刑法 2、民法 3、クライアントポリシー 4、ガードポリシー 5、道徳

 この5つが、番号通りの優先順位で警護員の行動を規制すると言われています。
 法律が最初に来るのは当然として、重要なのはガードのポリシーはクライアントのポリシーよりも優先順位が下だという事です。原則として、この順位が変わる事はありません。

 当たり前の話ですが、警護員の都合で対象者の予定を変更するような事はありえないという事です。どんなに疲れていても、仮に勤務を交代する時間になっていても、対象者が行動している内は警護員として付き従う義務があるのです。これについては別の所でも書いているので、ここでは詳細は省きます。

 警護員の行動を規制するものとして、これを「リミテッド・アクション」と呼びます。

 そして、ここでの問題は⑤道徳です。
 道徳が最後にある事が納得できない、と言われた事があります。気持ちとしては理解できない事もありません。しかし、これにもしっかりと理由があります。

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 自分自身の本当に願っている生き方(こんな人間になりたい、こんなふうに人から評価されたい等)を確認する方法をお教えします。

 まず、可能な限り具体的にお葬式をイメージして下さい。
 祭壇があって、沢山の花が飾られている。
 小さく揺れるロウソクの炎と、立ち上る線香の煙、その香り。次々に焼香をすませる人々の中には、泣いている人も少なくはない。
 参列する親族、友人、知人そして恋人。その誰もが悲痛な表情で祭壇を見上げ、そこに飾られた遺影を見つめている。
 遺影の中の写真。それは、かすかに笑みをたたえた貴方自身・・・。

 そう、これは貴方のお葬式です。親族は貴方の家族、友人や知人も当然貴方の知る人達。そして、そこには貴方の恋人もいる。
 さあ、そこで彼らは何を話しているでしょうか?貴方の事を、何と言っているでしょうか?
 ここで思い浮かんだイメージこそ、貴方の本当の望みです。
 
 「七つの習慣(キングベアー出版)」という書籍があります。先のお葬式の話も、そこにあったものです。
 私はこのお葬式で、
 
「あの人のお陰で助かった」
 という一言を言ってくれる人が1人でもいれば十分だと思いました。
 命を助けた、などという大袈裟なものである必要はありません。ほんの少し、何処かの誰かの役に立つ事が出来れば、それで本望だと思います。それが多少格好良ければ更に良いでしょう。
 だから、私は今日も警備員をしている訳です。

 死に際して、人は虚飾を失います。あるのは真実の願いだけ。一度試してみて下さい。
 もしかしたら、貴方の今の生き方は、貴方自身の本当の願いとは違っているかも知れませんよ。

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 その後、契約主である対象者の兄と話をしました。
 以前から対象者が同様の主張を繰り返し、困り果てた彼は最初に防犯カメラを取り付けました。機械の目が見ているのだから安心出来る筈だと考えたのです。
 しかし、対象者の主張は変わらず続きました。犯人は、うまく機械の警戒範囲の外にいて、巧みにドアに近付いているのだと言い張りました。

 そこで、我々に依頼が来たのです。
 機械+人間。双方の目で警戒する事で第三者が近付ける筈がないという事になれば、対象者も安心出来るだろうと考えたのです。しかし、その読みは甘かったのです。

 対象者曰く、犯人は向かいの家の者だという事でした。その犯人は電気技術に関して特殊な能力を持っており、盗聴、盗撮はもちろん、周囲に見付からずに対象者の家に近付く事が出来るのだそうです。
 実際に、何度もその家に苦情に行っている姿を見掛けました。

 そうして我々は1つの結論に達しました。脅威対象者は透明人間か、特殊な技術を持った宇宙人なのです。

 流石に、我々も宇宙人相手ではどうする事も出来ません。その業務は、契約期間終了と共に終わりました。
 「君達でも駄目だったね」という対象者の落胆した表情と、「本当に申し訳ない」という契約主の謝罪とを受けながら、最終日の勤務地を後にしたのですが、何ともやり切れない勤務でした。

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