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 その後、契約主である対象者の兄と話をしました。
 以前から対象者が同様の主張を繰り返し、困り果てた彼は最初に防犯カメラを取り付けました。機械の目が見ているのだから安心出来る筈だと考えたのです。
 しかし、対象者の主張は変わらず続きました。犯人は、うまく機械の警戒範囲の外にいて、巧みにドアに近付いているのだと言い張りました。

 そこで、我々に依頼が来たのです。
 機械+人間。双方の目で警戒する事で第三者が近付ける筈がないという事になれば、対象者も安心出来るだろうと考えたのです。しかし、その読みは甘かったのです。

 対象者曰く、犯人は向かいの家の者だという事でした。その犯人は電気技術に関して特殊な能力を持っており、盗聴、盗撮はもちろん、周囲に見付からずに対象者の家に近付く事が出来るのだそうです。
 実際に、何度もその家に苦情に行っている姿を見掛けました。

 そうして我々は1つの結論に達しました。脅威対象者は透明人間か、特殊な技術を持った宇宙人なのです。

 流石に、我々も宇宙人相手ではどうする事も出来ません。その業務は、契約期間終了と共に終わりました。
 「君達でも駄目だったね」という対象者の落胆した表情と、「本当に申し訳ない」という契約主の謝罪とを受けながら、最終日の勤務地を後にしたのですが、何ともやり切れない勤務でした。

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