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先週末、致死量900人分のシアン化金カリウムが盗難されたというニュースを目にしました。こういったニュースを目にした時、皆さんはどう考え、対応するでしょうか。
多くの方は「怖い話だなあ」と、一時溜め息を洩らすものの、日常の出来事の中でニュースそのものを忘れてしまうのではないでしょうか。
テロなど自分とは関係のない、全く別の世界の出来事だと思いますか?
少し前に茨城で通り魔事件が起こったように、秋葉原や大阪小学校でもあったように、残念ながら残忍で理不尽な事件は何時何処で発生するか分かりません。
私は防犯セミナーなどでは必ず「この世の中に絶対的に安全な場所はない」と言っています。犯人の目的等は不明ですが、今この瞬間に悪用されている可能性もあるかも知れません。
ネットではシアン化合物の中毒症状など簡単に検索出来ますので、時間のある時に少しだけでも確認してみて下さい。
中毒症状の方の呼気から自身も中毒になる可能性があるなど、自身はもちろん、中毒の疑いのある方への対応にも注意を要するようです。
情報過多の時代ですが、同時に情報は武器であり、身を護る為の知恵でもありますので。
さて、話は変わって今回は、前回に続いて用語の基礎として、警護の体制について説明させて頂きます。
警護の体制を語る際に、見方が2つある事。そしてそれが警護員の資質による分け方と、対象者や状況に応じた分け方である事は前回も説明させて頂きました。
前者の分け方と用語は前回説明しました。今回はもう1つの分け方として、対象者や状況に応じた体制についての名称です。
ハイ・プロファイルやロー・プロファイルという言葉を聞いた事があるでしょうか。
政治家やタレントなどの著名人と一般の対象者とでは当然ながら体制の組み方が異なります。
国会議員の先生方などの警護は、主に私達民間の警備ではなくSP(警察)ですが、体格も良く、あえて目立つように動いています。
芸能人などの著名人の場合も同様です。前提として対象者を隠す事が出来ないので、警護員の存在を知らしめる事で、逆にリスクを近づけないようにしている訳です。これがハイ・プロファイル。
対して一般の方が対象者である場合にこれをしてしまうと、関係のない周囲の目を必要以上に引いてしまいます。
女性や子供が対象者である場合は尚更です。この場合は目立たないように警護につく事が基本になりますので、警護員の服装や場合によっては体格、性別から検討します。これがロー・プロファイルと呼ばれます。
対象者やリスクレベルに応じて使い分ける訳ですが、同じ対象者でもその体制は変る事があります。
普段はハイ・プロファイルで警護をしている対象者でも、家族旅行の時にスーツ姿の男達が混ざっていたら、せっかくの休暇も雰囲気が悪くなってしまうかも知れません。こういう場合は、可能な範囲でロー・プロファイルに切り替える事があります。
単純に対象者の傍にいて、悪者が現れた時に戦うというのはフィクションの中だけの世界なのです。


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警護の体制を語る際には、見方は2つあります。
警護員の資質による分け方と、対象者や状況に応じた分け方です。
エグゼクティブ・プロテクションというのは、この前者の言い方です。
一般的にはボディ・ガードという名称が知られていますが、ボディ・ガードは戦闘能力を基本とした警護スタイルの名称で、どちらかというと用心棒などのイメージです。
対するエグゼクティブ・プロテクションは、対象者に対するトータル・コーディネイトを重要視した警護を意味します。何らかのトラブルが発生した場合はもちろん、平時のリスク・マネジメントの能力が求められます。
横文字ばかりで、申し訳ありません。個々の用語は必要に応じて追々説明させて頂きます。
要は、対象者のスケジュール管理から、外出時の身の回りのケア、車両の運転からエスコートまで、幅広く担当する事になる訳です。秘書や執事という職業のイメージの方が近いかも知れません。
実際に、警護業務の経験者という事で、会社役員の秘書兼運転手になっているという人もいます。
当然ながら、肉体的にはもちろん、精神的な負担は半端ではありません。
これから警護員を目指すという方は、この点を理解しておかないと長続きしないと思います。私の元同僚でもイメージと違ったと言って辞めていった人達は少なくありません。
ちなみに言い方は他にもあり、パーソナル・プロテクションやVIPセキュリティなどという名称も意味は基本的に同じです。
日本においては、このエグゼクティブ・プロテクションを求められるケースが圧倒的に多いと思います。
現実問題としての「襲撃」を視野に入れた警護体制というものは殆ど存在しないといって過言ではなく、その分、警護員に求められる要素はサービス的な部分に及ぶ為です。
私自身の経験ですが、防弾チョッキを身に付ける程にリスクが高い現場での事でした。それまでは小さなミスにも何も言わなかった対象者から、リスクが殆どなくなると同時にエスコートに品がない、などというクレームを貰った事がありました。
これは対象者が悪い訳ではなく、状況に柔軟に対応出来なかった私自身の経験不足から来た結果だと今では思っています。
「侍(サムライ)」という言葉の意味をご存知ですか?実は、これこそProtectionの元祖なのです。
侍の語源は「さぶらう」。意味は、「おつかえする」、「そばにひかえる」からきています。
かつて、用心棒として雇われた者達が雇主の周囲で動いている様子から、「さぶらう→さむらう→さむらい(侍)」となったと言われています。
「侍」という漢字には、元来 「貴族のそばで仕えて仕事をする」という意味があり、武士に類する武芸を家芸とする技能官人を意味するそうです。
契約に基づいて、クライアントの身を護る。つまり、そもそも侍の主な任務は警護であったという事です。
雇い主からすれば、より優秀な侍を雇った方が安心な訳で、侍としては己の武芸を磨く事が、より良い仕事に就く手段でもあった訳です。
技術の劣る侍は仕事に恵まれずに浪人となるか、安く雇われるしかありません。
私達も、自身の技術向上を常に考えなければなりません。



街中でのひったくり、商業施設など人の集まる場所での置き引きなど、事件事故のデータを見ているとほぼ毎日のように発生しています。
私自身が勤務する現場でも、置き引き被害は定期的に発生しています。
言うまでもなく、犯罪では悪いのは犯行を犯す者、つまり加害者です。しかし、その幾つかは被害者の心掛けで防ぐ事が出来たのではないかと思う事が少なくありません。
街中を歩いている時に、荷物を道路側に持っている。
荷物を席に置いたままトイレ等の為に離れる。
これはいずれも、犯罪者から見れば絶好の機会以外の何物でもありません。逆に、被害にあわなければラッキーだったとさえ考えるべきだと思います。
犯罪の多くは、被害者の隙をついて行われます。従って、隙をなくす事でその多くを回避する事が出来ます。
少なくとも、犯罪に巻き込まれる可能性を減らす事は出来ると思います。この考え方は、警護業務と全く同じです。
身辺警護というと、映画やドラマでは襲撃にあってからその危機を逃れるまでを描かれる事が多くなります。
しかし、実際の警護業務では、仮に結果として無事であっても危険に巻き込まれた時点で警護は失敗です。
大切なのは、如何に対象者から遠い所でそのリスクを押さえるか。結果として、如何にリスクを回避するかという事なのです。
最近はTVなどでもひったくり被害が多い事などを取り上げて、街中を歩く際の注意事項として荷物の持ち方を注意しています。
携帯電話での話に夢中になって、背後から近づいた犯人に気付かずに被害にあうという事増えているようです。
しかし、防犯セミナーなどでこの手の話をすると、初めて聞いたという反応に接する事が少なくありません。
商業施設などで荷物を手放している人に置き引きに対する注意喚起をしても、「何を言っているの?」「ちょっとくらいいいじゃないか」といった反応が少なくありません。
我々からすれば常識的な事でも、残念ながら、一般の方の防犯に対する意識は、そういったレベルに留まるのかも知れません。
だからこそ、我々の存在やその知識が世の中で多少なりとも役に立っているのかも知れませんが、被害にあって辛い思いをする方が1人でも減る事を願うばかりです。


警護員が護るべきもの。それは当然ながらクライアント=警護対象者の身体・生命です。いわゆるマルタイ。報告書等を書く際にも、対象者の「対」を丸で囲んでそう読ませます。
言うにも書くにも、警護対象者では長いですからね。
いざという時には身体を張ってでも対象者を護る、動く壁などとも言われますね。
それから対象者の家族の生命・身体。
対象者が無事でも、その家族に万一の事があったら問題です。実際に、私が警護についていたあるクライアントには、家族に対する脅迫がありました。
自分の家族の安全が脅かされるとなれば、当然ながら対象者自身の日常業務にも支障が出ないとも限りません。
従って、家族の安全を確保する事も業務内容に含まれるのです。
その他に、対象者の財産、所有物があります。
身体は無事でも財産が奪われた・・・という事では意味がありません。契約料も払って貰えなくなります(笑)
大切にしている所有物、例えば車やペットなどなどでも同じです。万一、そういった物が傷付けられてクライアントのその後の生活に支障が出るような事になれば、それは警護の失敗を意味します。
そして最後に、対象者の名誉・地位があります。これは意外に盲点なのではないでしょうか。
映画などでは銃撃や格闘のシーンが取り上げられる事が多いので、どうしてもそういう派手な部分に目が行きがちですが、実はこういう地味な部分が大勢を占めます。
例えば、海外などでは警護員をつける事が社会的なステータスシンボルである場合があります。
そんな警護員のスーツが汚れていたり、汗臭かったりしていたら、どうなるでしょう。
言葉遣いや身のこなしなどでも同様です。
対象者を護る筈の警護員そのものが、逆に対象者の社会的地位をおとしめる事もあるという事です。
従って、警護員が求められるスキルには格闘術などばかりではなく、ビジネス・マナーや敬語、社会的な一般常識も含まれます。
このようにトータルに対象者を護り、その結果、安堵感、安全、安らぎを提供する事の出来る人。