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以前一緒に仕事をしていた者が、その退職の際に「人を疑う事が嫌だから」という理由を口にしました。
確かに、「人を見たら犯罪者と思え」という言葉があるように、自分自身や、警護でも施設等であっても警備対象を完全に護る為にはそういう見方をする事もあるのかも知れません。
しかし、これはある程度まで経験や知識でカバー出来る部分でもあります。
しかし、これはある程度まで経験や知識でカバー出来る部分でもあります。
街中など不特定多数の人物と接触する状況では、その中から特定の人物(不審者など)を見つけ出す事は非常に困難な作業になります。
群衆の中から不審者を見つけ出そうとしても、恐らく精神的に疲れるだけです、人間の集中力には限界があります。個人差もあるでしょうが、極端な集中状態であれば30分が限界ではないでしょうか。
今、貴方に向かって歩いて来る数人の人達が、全員不審者であるかも知れない、と疑って掛かるのは簡単です。それはそれで身を護る1つの方法なのかも知れません。しかし、それではまともな日常生活が送れなくなってしまうのではないでしょうか。
不審者を見分けるポイントとして具体的なものがあります。しかし、言葉にするのは非常に難しく、他人に教えるという意味では、ある意味最も難しい事かも知れません。
私自身が、不審者を見分ける際の大きなポイントは1つ。「勘」です。
それを言ってはおしまいだ・・・という声が聞こえたような。
他にも細かいポイントはあります。
他の話でも書いていますが、周囲との違和感など、幾つかのポイントが上げられます。もちろん、スクールで「勘」と言ってしまうとそこで話が終ってしまうので、その他の細かいポイントをお話する事になります。
他の話でも書いていますが、周囲との違和感など、幾つかのポイントが上げられます。もちろん、スクールで「勘」と言ってしまうとそこで話が終ってしまうので、その他の細かいポイントをお話する事になります。
万引き犯を捕まえたり、対象者に近付く不審者を見分けたり、状況は異なりますが、私自身が最初に頼りにするのは間違いなく「勘」なのです。その他のポイントは、その裏づけというか一種の補足となります。
五感の先にある六感というか、経験から来る一種の嗅覚とでもいうのか。そのような感覚が身についてくれば、多少は自分の仕事にも自信が持てるのではないかと思います。
ある熟練のスタッフは、保安業務の際に「万引き行為に及ぶ者は、店舗に入る前から何となく分かる」と言っていました。
無関係の人を疑うような事をせずとも、ある程度見極める事は可能なのです。
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私1人が憎まれ役になれば、店舗の施設やスタッフ、そして別の勤務員に攻撃の矛先が向かうという最悪の展開を避ける事が出来ます。
暫くの間、私は勤務から離れる事になり、その間に代わりの勤務員には少年達とのコミュニケーションを充分に取らせました。
少年達は当初考えていたよりも純粋と言うか、単純と言うのか。コミュニケーションを取り始めると素直に名前や仕事について語り始めました。
そうやって様々な情報が集まった後になって考えてみると、殆どの少年達が親は1人(父親か母親)で、学校でも周囲から疎まれているという事でした。
そうやって様々な情報が集まった後になって考えてみると、殆どの少年達が親は1人(父親か母親)で、学校でも周囲から疎まれているという事でした。
勿論、自業自得といってしまえばそれまでです。環境を作るのは、他人ではなく自分自身である筈です。しかし、それを10代の少年達に説いた所で無駄だったでしょう。
そういう少年達が学校を辞め、同じような状況の者達で集まり、そして遊ぶ金もないままに犯罪行為に手を染めていた訳です。そこに罪の意識はなく、ゲーム感覚だったようです。
その後、不気味な位に静かな日々が続くようになり、やがて警察から1つの情報が寄せられました。
我々の警告文書の送付と同時期に、メンバーの数名が窃盗の現行犯で逮捕されたという情報でした。
我々の警告文書の送付と同時期に、メンバーの数名が窃盗の現行犯で逮捕されたという情報でした。
現行犯逮捕された少年は2名。その内の1名は鑑別所のみで1ヵ月後には戻って来ましたが、1名は反省の色なしという事で少年院へ送致となりました。
これが他のメンバーにも効いたのでしょうか。少年達の行動はすっかり途絶えてしまいました。
更に数ヵ月後、今度は別のメンバーが2名、やはり窃盗で現行犯逮捕され、そのまま少年院に送られました。それ以前の各種事案の扱いの為に管轄の警察を訪れた際に聞いた所では、既に警察も彼らグループを追い詰める為に情報収集等を行なっており、後はきっかけのみ、という状況だったそうです。
立場上はっきりとそう言った訳ではありませんが、出来れば一網打尽にしたいので、小さな動きには敢えて目をつぶっていたという一面もあったようです。
当然ながら、私達の警備状況やその場での事案の進展も見守っていました。しかし、迷惑行為では逮捕は出来ません。
「誰かが殴られたとなれば、すぐに動けるんだけどねえ」
などと、人事ですから気楽に言われてしまったのでした。
厄介な案件ながら、受傷事故等一切なく状況を解決に導いた事は、自分自身にとっても自信につながる出来事であり、1つの大切な経験ともなりました。
厄介な案件ながら、受傷事故等一切なく状況を解決に導いた事は、自分自身にとっても自信につながる出来事であり、1つの大切な経験ともなりました。
これは一種の賭けでした。
以前、別の現場ではこの出入り禁止の処分を実施した所、それに対して相手が猛反発して状況が急激に悪化した事がありました。
強硬な手段に対しては、強硬な反発が発生するという典型的な例でした。
強硬な手段に対しては、強硬な反発が発生するという典型的な例でした。
最終的には逮捕者が出るなどした後に事件が収束する事になりましたが、双方に怪我人も出て、決して褒められた結末ではありませんでした。
今回も、同様な状況が起こる可能性がありました。
もちろん、出入り禁止を伝えた所で、彼らがそれに大人しく従う筈はありません。しかし、出入り禁止を伝えたにも関わらず迷惑行為を繰り返すとなれば、今度は裁判所の仮処分という手もあります。その為、それまで以上に彼らの行動を詳細に記録する事が必要になります。
誰が、何時、どのようにやって来たのか。そして何をしたのか。それらの記録が映像と共に蓄積されて行きます。これはそれまで以上に地道な作業になります。しかし、法的な手段を講じるとなれば必要な手続きでもありました。
ストーカーやDV対策などでも同様なのですが、ドラマや映画のような派手さは殆どありません。警察や司法を動かすとなると、このような綿密な作業と詳細な資料が必要になるのです。
その後、クライアントの法務担当者や顧問弁護士ともミーティングを繰り返し、少年達に対して公式な抗議及び警告文書を送る事になりました。
相手は未成年ですので、送付対象は本人及び保護者になります。これに必要な各種の情報も、殆ど我々が収集したものが生かされました。
この文書の送付前後は、我々にとっても緊張を要する期間でした。
連中が逆切れをしてくるか、その内容について問い合わせに来る事も考えられました。
一番怖いのは、彼らの怒りの矛先が従業員や施設に対して向けられる事でした。あるいは、私がいない時に別の勤務員に対して向けられる事でした。
しかし、意外にも彼らの動きはこのまま収束する事になりました。
その理由の1つに、我々の役割分担が上手くいったという事がありました。
ある時、私のいない時に来店した少年の1人が、私のパートナーの勤務員に話し掛けて来たのです。内容は、直接出入禁止を言い渡した、私に対する愚痴でした。
これは意外な展開でした。そして、理想的な展開に移行出来る可能性が見えて来ました。
ある日、3人の小学生を万引きの現行犯で捕えました。
初犯だったようで、大人しく指示に従い、こちらの質問にも答えてくれました。なんと付近の小学校では、その店は絶対に捕まらない、捕まえないという話で有名だという事でした。
これには驚きました。しかし、これで怖い思いをした3人は学校でもその話をする筈で、おそらく良い意味での広告塔になってくれる事を期待しました。
初犯だったようで、大人しく指示に従い、こちらの質問にも答えてくれました。なんと付近の小学校では、その店は絶対に捕まらない、捕まえないという話で有名だという事でした。
これには驚きました。しかし、これで怖い思いをした3人は学校でもその話をする筈で、おそらく良い意味での広告塔になってくれる事を期待しました。
小学生達の話を裏付けるように、学校帰りの高校生や中学生。明らかに部活帰りの子供達が、ごく平然とドリンクやアイス、スナックのコーナーに行き、そして周囲の目を盗んで窃盗を行っていました。毎日のように数十名の不審者を確認していたのです。
彼らには彼らなりの嗅覚のようなものがあるらしく、すぐにこちらの存在に気付いて行為を中止しましたが、目を離せば確実に実行していたでしょう。
柱の陰でバッグを開いて商品を入れたり、仲間が盾になって人目を遮って実行するような悪質なケースもありました。
殆どがドリンク1~2本というところで、被害額としては大きいものではりませんでしたが、言うまでもなく塵も積もれば・・・という事です。
柱の陰でバッグを開いて商品を入れたり、仲間が盾になって人目を遮って実行するような悪質なケースもありました。
殆どがドリンク1~2本というところで、被害額としては大きいものではりませんでしたが、言うまでもなく塵も積もれば・・・という事です。
機会は、彼らが作ってくれました。
ある日、4人の少年達がいつも通り特攻服で店に現れました。いつものように傍若無人な振る舞いで、肩で風を切って店内を徘徊します。最早、目的は窃盗でもなく、店側が困っているのを見て喜ぶ、愉快犯的な要素が大きいと感じました。実際、多くのお客様が彼らの様子を見て眉を顰めています。この状況を放置する事は出来ませんでした。
私は、少年らに声を掛け、彼らの行為が店にとって迷惑行為となっている事。このような行為が続くようであれば出入り禁止等の措置を取らざるを得ない事を伝えました。もちろん、それで大人しくなるようなタマではありません。
「何もしてねーだろ」彼らのような者達の常套手段というか、必ず出てくる台詞です。
確かに、窃盗等の犯罪行為は行っていません。しかし、店舗内やその敷地は私有地ですので、こちらには施設管理権があります。彼らが理解出来るかどうかは別として、その説明をしました。当然、彼らは納得しません。
その話をしているうちに、メンバーの1人が携帯電話を使っているかと思うと、メンバーが男女4名増えて、合計8人になりました。8人は店内を好き勝手に歩き回り、入口を塞ぎ、走り回りとやりたい放題です。この時点で対応に限界を感じ、警察対応に切り替えました。
敢えて彼らの目の前で、携帯電話で110番通報を始めると、ばらばらと店の外に出て行きました。
間もなく警察が臨場しますが当然ながらこの時点では逮捕等の出来る状況ではありません。その代わり、私は彼らに対して出入り禁止処分を伝えました。
ようやく、状況が動き出したのです。