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 警護員の行動を規制する幾つかの法則があります。

 1、刑法 2、民法 3、クライアントポリシー 4、ガードポリシー 5、道徳

 この5つが、番号通りの優先順位で警護員の行動を規制すると言われています。
 法律が最初に来るのは当然として、重要なのはガードのポリシーはクライアントのポリシーよりも優先順位が下だという事です。原則として、この順位が変わる事はありません。

 当たり前の話ですが、警護員の都合で対象者の予定を変更するような事はありえないという事です。どんなに疲れていても、仮に勤務を交代する時間になっていても、対象者が行動している内は警護員として付き従う義務があるのです。これについては別の所でも書いているので、ここでは詳細は省きます。

 警護員の行動を規制するものとして、これを「リミテッド・アクション」と呼びます。

 そして、ここでの問題は⑤道徳です。
 道徳が最後にある事が納得できない、と言われた事があります。気持ちとしては理解できない事もありません。しかし、これにもしっかりと理由があります。

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 自分自身の本当に願っている生き方(こんな人間になりたい、こんなふうに人から評価されたい等)を確認する方法をお教えします。

 まず、可能な限り具体的にお葬式をイメージして下さい。
 祭壇があって、沢山の花が飾られている。
 小さく揺れるロウソクの炎と、立ち上る線香の煙、その香り。次々に焼香をすませる人々の中には、泣いている人も少なくはない。
 参列する親族、友人、知人そして恋人。その誰もが悲痛な表情で祭壇を見上げ、そこに飾られた遺影を見つめている。
 遺影の中の写真。それは、かすかに笑みをたたえた貴方自身・・・。

 そう、これは貴方のお葬式です。親族は貴方の家族、友人や知人も当然貴方の知る人達。そして、そこには貴方の恋人もいる。
 さあ、そこで彼らは何を話しているでしょうか?貴方の事を、何と言っているでしょうか?
 ここで思い浮かんだイメージこそ、貴方の本当の望みです。
 
 「七つの習慣(キングベアー出版)」という書籍があります。先のお葬式の話も、そこにあったものです。
 私はこのお葬式で、
 
「あの人のお陰で助かった」
 という一言を言ってくれる人が1人でもいれば十分だと思いました。
 命を助けた、などという大袈裟なものである必要はありません。ほんの少し、何処かの誰かの役に立つ事が出来れば、それで本望だと思います。それが多少格好良ければ更に良いでしょう。
 だから、私は今日も警備員をしている訳です。

 死に際して、人は虚飾を失います。あるのは真実の願いだけ。一度試してみて下さい。
 もしかしたら、貴方の今の生き方は、貴方自身の本当の願いとは違っているかも知れませんよ。

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 その後、契約主である対象者の兄と話をしました。
 以前から対象者が同様の主張を繰り返し、困り果てた彼は最初に防犯カメラを取り付けました。機械の目が見ているのだから安心出来る筈だと考えたのです。
 しかし、対象者の主張は変わらず続きました。犯人は、うまく機械の警戒範囲の外にいて、巧みにドアに近付いているのだと言い張りました。

 そこで、我々に依頼が来たのです。
 機械+人間。双方の目で警戒する事で第三者が近付ける筈がないという事になれば、対象者も安心出来るだろうと考えたのです。しかし、その読みは甘かったのです。

 対象者曰く、犯人は向かいの家の者だという事でした。その犯人は電気技術に関して特殊な能力を持っており、盗聴、盗撮はもちろん、周囲に見付からずに対象者の家に近付く事が出来るのだそうです。
 実際に、何度もその家に苦情に行っている姿を見掛けました。

 そうして我々は1つの結論に達しました。脅威対象者は透明人間か、特殊な技術を持った宇宙人なのです。

 流石に、我々も宇宙人相手ではどうする事も出来ません。その業務は、契約期間終了と共に終わりました。
 「君達でも駄目だったね」という対象者の落胆した表情と、「本当に申し訳ない」という契約主の謝罪とを受けながら、最終日の勤務地を後にしたのですが、何ともやり切れない勤務でした。

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 ある対象者の自宅を警備していた時の事です。

 以前から昼夜を問わず玄関のドアをノックされたり、盗聴などの嫌がらせを受けているという事で、その犯人を捕まえるか、嫌がらせをやめさせる事を目的とした警備でした。
 勤務開始初日の夜が明けた時、対象者が我々の待機していた車両にやって来ました。

 「昨夜も何度もドアをノックされた。何故捕まえてくれなかったのか?」

 そう言われて、我々は言葉を失いました。
 一晩中、玄関の見える場所で警戒していたのです。そんな事はありえない話でした。しかし、万に一つ見逃している可能性もないとは言えませんので、その場は一応謝罪をしておきました。
 その後、同じような事が何度か続きました。1度だけなら我々のミスだった可能性も考えられます。しかし、何度も続くとなるとありえない話でした。しかも、対象者の主張する時間には私が警戒していて、不審者を見逃している事は絶対にないと言い切れる時間帯もありました。

 新しいクレーマーか?そこに来て、そんな事も考えました。
 1度契約をしておいて、業務を遂行しないなどとクレームをつけて慰謝料等を請求してくるつもりか?そこまで考えもしましたが、しかし、それはありえない話でした。

 この仕事は少々変っていて、契約上の依頼者は、警護対象者の兄でした。
 その付近の土地を広く所有しており、最寄の駅から自宅まで所有する土地だけを歩いて帰る事が出来る、と初日の挨拶の際に話を聞きました。

 この仕事は、後にも先にも始めてのケースが多い仕事だったのです。

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 ある時、対象者に同行していたメンバーが、頭にカラスのフンをつけて戻って来ました。

 普通であれば笑い話で終わる話ではあります。しかし、警護中となるとこれは話が違って来ます。
 対象者が通る先の電線にカラスが止まっていた訳ですが、これに気付いていたかどうかが問題なのです。

 実際問題としては、カラスに限らず鳥のフン程度で怪我をする事はないと思います。
 せいぜい服が汚れる程度でしょう。しかし、これが著名人であれば世間の笑い話になってしまいます。
 そして何よりも、カラスのフンに気付けない者が、別の何かに気付けるのか、という事が問題なのです。

 落ちて来たのがマンションのベランダにあった植木鉢だったら。工事中の建物から落ちて来たスパナだったら。言うまでもなく命に関る事態になります。これが問題なのです。

 対象者が通る導線上の全てのリスクを事前に把握する事。これは不審人物や不審物に限りません。

 通行する車両が多い少ない。工事中の場所の有無。死角となる場所の有無など。確認するべきポイント、把握するべきポイントは数え上げればきりがありません。

 物理的にはもちろんの事、固定観念を排除して柔軟な思考を持つという意識の意味でも、普段から「視界」を広くする事で、あらゆるリスクを把握する事が求められるのです。

 たかがカラスのフン。されどカラスのフンという事です。

 

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